退職を考え始めたら、感情任せに決める前に「やるべきこと」を整理しておくと安心です。以下のチェックリストは、
生活・キャリア・手続きの観点から抜け漏れなく準備できるように作成した実践ガイドです。
目次
全体の流れ(まずはコレ)
- 退職理由を言語化する
- 生活資金と収入シミュレーションをする
- 解決の余地がないか社内で検討する
- 次のキャリアの方向性を定める
- 退職スケジュールと引き継ぎ計画を作る
TIP:まずはノートやスプレッドシートに書き出すこと。見える化すると冷静な判断がしやすくなります。
1. 退職理由を明確にする
「なんとなく辞めたい」ではなく、原因を深掘りしてください。以下の観点で掘り下げましょう。
- 人間関係:特定の人物とのトラブルか、職場文化全体か
- 労働条件:残業時間・休日・給与・評価制度に問題はないか
- 業務内容:業務が自分の強みと合っているか、やりがいはあるか
- 健康・家庭:心身の不調や家庭の事情で働き続けるのが難しいか
書き出す項目:「辛い具体場面」「それが起きる頻度」「影響(健康・家庭・生活)」
2. 収入・生活面のシミュレーション
- 現状の貯蓄額(手取りで何ヶ月分か)
- 毎月の必要生活費(固定費・変動費を分ける)
- 退職金の有無と額(就業規則を確認)
- 失業給付(雇用保険)の受給条件と給付開始までの期間
- 税金・社会保険の切り替えによる負担増(国民健康保険・国民年金)
目安:最低3〜6ヶ月分、できれば6〜12ヶ月分の生活費があると安心です。
3. 会社内で改善できる点はないか検討する
- 上司に相談:業務量・評価・人間関係の改善を相談
- 人事・労務に相談:配置転換や制度利用の相談が可能か確認
- 部署移動の希望:異動で環境が変わるか検討
- 業務改善提案:業務分担や優先順位の見直しを提案
※相談する際は、感情的にならず事実と改善案を準備して臨むと効果的です。
4. 次のキャリアを具体化する
- 転職(同業・異業種):業界、職種、年収レンジを調べる
- フリーランス/副業:案件の取り方・収入見込みを検証
- 休養・学び直し:資格取得やスクールで市場価値を上げる
- 起業:ビジネスモデル・初期資金の検討
アクション:転職サイト・エージェントに仮登録して求人をチェックする(在職中の活動を推奨)。
5. 退職タイミングと段取りを決める
- 有利な退職時期(ボーナス後、プロジェクト区切りなど)
- 就業規則に定められた申告期間の確認(例:退職希望日の◯日前)
- 引き継ぎ作業のスケジュール(マニュアル・担当引き継ぎ)
- 社内コミュニケーションのタイミング(報告順序:上司→人事→関係者)
6. 引き継ぎ・退職手続きの具体作業
- 業務フロー図・担当業務一覧の作成
- 毎日・毎週のルーティン作業の明細
- 重要ファイルの保存先とアクセス権の整理
- お客様・取引先リストと連絡履歴の共有方法
- マニュアル(手順書)・よくある質問(FAQ)の作成
7. 退職に伴う手続き(社会保険・年金・税金)
- 健康保険(退職後の切替:国民健康保険/任意継続)
- 年金(厚生年金→国民年金への切替)
- 雇用保険(離職票の受け取り・失業給付の申請)
- 住民税の扱い(退職後の支払い方法)
- 源泉徴収票の受領(確定申告・転職先への提出用)
8. 家族・住環境・契約の見直し
- 家族(配偶者・子ども等)との生活設計の共有
- 住宅ローン・家賃の支払い計画の確認
- 通信・サブスク・保険の見直し(固定費削減)
- 緊急時の連絡先やサポート体制の確認
9. メンタルのセルフチェックと相談先
- 睡眠・栄養・運動の基本を整える
- カウンセリングや産業医に相談する(必要なら診断書の取得)
- 信頼できる友人・家族に状況を共有する
- 深刻な場合は、精神科受診や専門機関へ相談を
10. 個人書類・デジタルデータの整理
- 個人のメールやファイルを職場用と分ける
- 私物やロッカー、デスク周りの整理
- 個人で管理している重要なデータのバックアップ
- 会社支給の機器(PC・スマホ・ID)返却準備
まとめ
退職を考え始めたら、「感情」だけで動かずに、上のチェックリストに沿って準備を進めてください。
事前準備をきちんと行うことで、リスクを最小化し、次の一歩を安心して踏み出せます。